ジュピター(Jupiter)は、アメリカ合衆国フロリダ州南東部、パームビーチ郡北東端に位置する町。北緯26度55分34秒西経80度6分18秒、マイアミの北約140kmに位置する。550万人以上の人口を抱えるマイアミ都市圏北端の郊外都市として1970年代以降高成長を遂げており、2010年の国勢調査では人口55,156人を数え、1970年時点から約18倍にふくれあがっている。町域面積は51.8km2である。
ヨーロッパ人による入植が始まる以前は、ロクサハッチー川が大西洋に注ぐ河口付近のこの地にはネイティブ・アメリカンのホベ族(ジャエガ族)が住み着いていた。ホベ族の名は、現在ではジュピターの北に位置するホベサウンドの村名に残っている。やがてこの地にスペイン人が入植すると、1742年に彼らが作成した地図ではホベ族がJoveと綴られ、この地はRio Joveと記された。フロリダがスペインからイギリスの統治下に入ると、今度はそのJoveという語がローマ神話の主神ユーピテルのラテン語訳と捉えられ、この地はその英名であるジュピターと名付けられた。フロリダがアメリカ合衆国に入ると、このジュピターという町名を基にして、南東に隣接する町に、ジュピターの妻ユーノーの英名ジュノーの名を冠したジュノービーチという名が付けられた。
ジュピター湾の北岸には、ジュピターのシンボルにもなっているジュピター湾灯台が建っている。この灯台は1860年に建てられたもので、当初は建材としたレンガがむき出しであったが、熱帯性の気候故の高湿度のためにレンガが色落ちしたため、1910年に赤く塗られた。この灯台は1973年に国家歴史登録財に指定された。この灯台は現在でも稼動しているほか、博物館を併設して一般にも公開している。
ジュピターに最も近い商業空港は、町の中心部から南へ約29km、ウェストパームビーチに立地するパームビーチ国際空港(IATA: PBI)である。同空港やウェストパームビーチ、さらに南のフォートローダーデールやマイアミへは、町の西を通る州間高速道路I-95でつながっている。また、ウェストパームビーチを中心にパームビーチ郡の海岸沿いの都市や町村をカバーする路線バス、パーム・トランは、ジュピターにも1系統(#10)を運行している。
フロリダアトランティック大学は、6つあるキャンパスのうちの1つ、ジョン・D・マッカーサーキャンパスをジュピターに置いている。マッカーサーキャンパスにはデザイン・社会科学部、文学・芸術学部、教育学部、理学部の4つの学部のほか、優等生プログラムが置かれている。ジュピターにおけるK-12課程はパームビーチ郡学区の管轄下にある公立学校によって支えられており、ジュピターには小学校(幼稚園-5年生)6校、中学校(6-8年生)2校、高校(9-12年生)2校が置かれている。
また、ジュピターはMLBのマイアミ・マーリンズとセントルイス・カージナルスが春季キャンプを行う地でもある。これら2チームは共にロジャー・ディーン・スタジアムを使用している。また、これら2チームの傘下にあるマイナーリーグのジュピター・ハンマーヘッズおよびパームビーチ・カージナルス(同順、ともにアドバンストA)は、共にこのスタジアムを本拠地にしている。2012年9月には、このスタジアムで2013 ワールド・ベースボール・クラシックの予選1組が開催された。
以下にジュピター町における1940年から2010年までの人口推移をグラフおよび表で示す。